ながさきしきゅうほんこんしゃんはいぎんこうながさきしてんきねんかん 長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館

もっと詳しく知ろう！ 長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館

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  コリント式の美しい大列柱

  入港する船を迎え入れる石造りの洋館

  下田菊太郎設計によって現代建築の全てを結集して建設されたこの洋館は、長崎港に向かって建ち、かつてよりバンドの風景を担っていました。正面の2、3階部分はジャイアント・オーダーと呼ばれる四柱の通し柱で、旧英国領事館のイオニア式やドリス式と同様に、ギリシア美術上の重要なコリント式の大列柱。柱頭には美しいアカンサスの葉が飾られています。屋根の上に見られるアンティフィクサ、アクロテリオンというギリシア風の装飾にも注目！
  建物の前面の壮麗さが、長崎港に入港する船に乗船した人々の視線をいかに意識してデザインをされたか、創建当時の時代と時の流れを感じさせる洋館です。

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  銀行時代を偲ばせる内部の装飾

  内部には旧香港上海銀行時代の長いＬ字型のカウンターが現存。これを目にすると往時の銀行風景を容易に思い浮かべることができます。1階スペースはこのカウンターはそのままに、コンサートなどが催される多目的ホールとして利用され、出演者、観客共に好評を得ています。
  2階、3階へと続く螺旋階段、手すり、室内のマントルピース、白い天井など、全ての装飾が明治の華麗な時代を偲ばせる造りとなっているので、細部にも十分目を向けてみましょう。

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  今も往時の雄姿をとどめている

  市民の保存運動で見事に現存！

  旧香港上海銀行長崎支店としての役割を終えたこの建物は、長崎県が買収し梅香崎や大浦警察庁舎として、また、その後長崎市が土地建物を買収してからは長崎市立歴史民俗資料館として活用されてきました。そして昭和62年（1987）、長崎市政100周年を記念して建てられるという「国際交流会館」が、この建物を解体して建てられる計画が持ち上がります。
  そこで直ちに「旧香港上海銀行を守る会」が発足。香港上海銀行長崎支店の遺構であるこの建物は、現地保存をという市民運動によって長崎住民10万人の署名を集め解体の危機を乗り越えました。その後、約4年間の保存修復工事を経て、平成8年に「長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館」としてオープン。
  貴重な明治の遺構は市民の熱い思いによって守られたのでした。