ACM ASIA CCS 2022
株式会社カンファレンスサービス
代表取締役 次郎丸 沢 氏
【開催期間】2022年5月30日 ~ 2022年6月2日
【会場】出島メッセ長崎
【参加者数】約440名(ハイブリッド開催)
今大会の感想をお聞かせください
次郎丸沢氏
本会議の誘致活動を始めたのが2018年でしたので、会議終了まで丸4年かかりました。ACMという情報系の国際会議団体としてはIEEEと双璧をなす権威ある会議でしたので、成功裏に終わることが出来たことは大変ありがたく思っております。
今回の主な取り組みを教えてください
次郎丸沢氏
本会議実施時はコロナ禍の真っ最中でしたので、感染対策と議論の活発化との両立もしくはバランスを取ることに最も多くの時間を費やしました。本会議はハイブリッド形式で開催したのですが、ハイブリッド形式の会議にはコミュニケーションの質と量に関する問題と時差に関する問題の両方を検討する必要がありました。
ハイブリッドやオンラインの会議ではオフラインの参加者間のインフォーマルな交流が難しいことが知られており、この問題は執筆現在まで解決されていません。ですので、本会議ではあくまで発表や研究に対するフォーマルな交流が最大化するような対策を行いました。具体的には、
1.発表資料を事前に共有して発表内容を事前に理解できる環境を作る
2.議論を発表時間外でも行うことが出来るようにコミュニケーションツールを活用する
3.発表内容を録画し、後日参加者と共有する
という3つの対策を行いました。
発表資料の事前共有は発表スライドの他、発表動画を事前録画する方法も採用しました。ほぼ全員の発表者から資料の提供があり、参加者と発表資料を共有することが出来ました。コミュニケーションツールはSlackを使用しましたが、2千件を超えるコミュニケーションが行われており、活発な議論が展開されました。発表内容の録画についても数か月にわたって閲覧されており、十分に活用されたと考えております。
時差の問題につきましては、本会議がアメリカとヨーロッパの参加者が多かったことから、オンラインからのアメリカからの発表者を日本時間の午前中に、ヨーロッパからの発表者を日本時間の夕方に配置することで、それぞれの発表者が真夜中に発表するようなことが無いように配慮しました。その結果、ほとんどのオンラインの発表者が時間に遅れることなく発表を行うことが出来、議論も問題なく進行することが出来ました。また時差の関係で議論をリアルタイムで聞くことが出来なかった参加者も、発表資料や発表動画を見ることで発表の様子を知ることが出来、質問についてもSlackを通して後日質問することが出来たため、オンライン参加者から発表や議論についてのクレームはありませんでした。
今後、長崎での会議の誘致や開催を予定されている方にメッセージをお願いします
次郎丸沢氏
出島メッセ長崎は学会を行うことに最適化された会議場だと感じました。ハイブリッド開催で問題になる回線の容量も十分に確保できますし、何より長崎駅から徒歩1分ですので、会場への参加者の誘導にリソースを割く必要がありません。これは会議を開催するうえで非常にプラスだと思われます。また、天井も十分に高く議論を活発化させることが出来る施設だと思われます。
また、観光地も豊富にあるため、エクスカーションが組みやすいことも良いですね。純和風な施設が少ないので国際会議のエクスカーションは少々工夫が必要かもしれませんが、バスを使えば雲仙や武雄などに行くことが出来るため目的地の選択に困ることはありませんでした。