「#さしみシティ」ってナンだ!?
地元グルメライターに聞く、長崎「お魚グルメ」案内
日本一豊富といわれる魚種と、日本有数の漁獲高を誇る長崎は、四季折々の豊富な旬の魚が楽しめる「さしみシティ」。 “最鮮端”の美味しさを味わい尽くすことができます。
国内有数の優良漁場として知られる長崎では、長崎近海で獲れる旬な魚が四季ごとに登場します。なかでも冬は、ヒラメや寒ブリ、フグ、カキなど、美食家を唸らせる“最鮮端の魚”と多く出会える季節です。
「今日はヒラメが食べたい!」とまちへ繰り出すも良し、「何をおすすめされるかな」とワクワクしながら暖簾をくぐるも良し。ここでは、地元グルメライターがオススメする長崎の“最鮮端”クオリティを堪能できるお店をご紹介!
日本本土最西端に位置する長崎の海は、東シナ海で育った多くの回遊魚が海流に乗って集まってくることから、日本有数の漁獲高を誇る漁場として知られています。水揚げされる魚は250種類以上とも言われ、日本一豊富な魚種を誇っています。
そんな地の利を生かし、市内の飲食店で振る舞われる魚の鮮度の高さはバツグン!近海で獲れたばかりの魚介を一度味わうと、長崎が鮮魚の最前線にして「さしみシティ」と評されるわけが分かると思います。
春にはアラカブや伊勢海老、アマダイ、カワハギ、ウチワエビ、マダイ、夏になるとアジやタチウオ、キビナゴ、ハモ、マダコ、イサキ、秋が訪れるとレンコダイやカツオ、イトヨリ、ミズイカ、カマス、サバ、冬シーズンにはヒラメ、トラフグ、ハタ、寒グロ、寒ブリ……ざっと代表格を記しただけでも魚種の多さに納得してもらえるはず。
その食べ方はお刺身やお寿司だけにあらず。長崎は、季節の旬に加え、「その日・そのときの旬」にも敏感な土地柄と心得ておきましょう。長崎「お魚」グルメのいちばんの贅沢は、長崎の海の幸に翻弄されることです。美味しいを求めて「さしみシティ」へと繰り出してみてください!
長崎市随一の繁華街・銅座町にある〈甲田食堂〉。こちらは鮮魚店直営だけあって、街中にありながら新鮮な海鮮をバリエーション豊富&リーズナブルに楽しめます。食材は毎朝、店主自ら目利きして仕入れたもの。地産地消をモットーに、長崎県産の魚をメインに使用しています。刺身定食や海鮮丼など、長崎の味わいを“一期一会の組み合わせ”で満喫することができます。時期によっては、土曜日の夜も営業している場合があるので、SNSなどをチェックしておくのがベター。
甲田食堂
長崎市銅座町15-16
095-800-1350
昼の部 11:30~15:30(ランチos14:30)
夜の部 18:00~23:00(フードos21:30)
日曜休
Instagram:@kouda.syokudo
路面電車「観光通」電停から徒歩2分
鯛めしに舌鼓を打つならこのお店!|御飯
長崎のマダイは、全国1位の漁獲量。とりわけ脂がのった旬の味わいは折り紙付き。長崎のマダイはそのおいしさと上品な姿、色の美しさから“魚の王様”と呼ばれています。そんなマダイを十二分に堪能させてくれるのが〈御飯〉。先代が、マダイを故郷・香川県の郷土料理「鯛めし」に昇華させたのが、名物のはじまり。そこからは「鯛めし」を軸としたコース料理を看板メニューにしたとのこと。長崎市民に知られる有名店です。脂のりが良くふっくらとした身、濃厚な旨みが特徴の味わいと九州産ひのひかりとのバランスの良さに思わず唸る一品です。また、「鯖しゃぶ」も〈御飯〉の名物。先代が長崎で一番最初に提供した料理です。
長崎市の和食 御飯
長崎市油屋町2-32
095-825-3600
昼の部 12:00~14:00 ※完全予約制
夜の部 18:00~24:00(os21:30)※祝日17:00~22:00
※夜のご利用は事前予約がオススメ
日曜休
https://www.nagasaki-gohan.com/
路面電車「崇福寺」電停から徒歩2分
非日常な空間で食べるならこのお店!|一力
文化10(1813)年創業の〈料亭 一力〉。坂本龍馬や高杉晋作ら、維新の志士たちもこの暖簾をくぐったとも言われる、長崎最古の料亭です。こちらで提供されるのは、郷土のごちそう「卓袱料理」。女将(おかっつぁま)の「尾鰭をどうぞ」という声から始まる、長崎ならではの伝統的なコース料理です。長崎のごちそうを語る上で欠かせないのは、刺身をはじめとした海の幸。老舗の風格ある雰囲気の中でいただく時間は、何ものにも代えがたいもの。三段重に盛り込み、気軽に楽しめる「姫重しっぽく」もオススメです。
料亭 一力
長崎市諏訪町8-20
095-824-0226
不定休
https://www.ichiriki.jp/
路面電車「市役所」電停から徒歩6分
長崎名物、クジラ料理ならこのお店!|割烹こじま
長崎とクジラには、長く深い付き合いの歴史があります。古くから捕鯨文化が存在し、県内各地に鯨の漁場がありました。捕鯨業は江戸時代最大の産業で「くじら一頭で七浦が潤う」と言われていました。〈割烹こじま〉では、クジラの食文化を思う存分堪能できます。長崎の繁華街の中心地から一本小路に入ったところに佇む、本格割烹料理店です。通年いただけるコースにて、くじらのベーコンやさえずり(舌)、胃袋、くじらしゃぶなど、多彩に楽しませてくれます。地酒や県産焼酎も多数揃っており、長崎の地魚との相性も抜群です。
割烹こじま
長崎市銅座町14-14
095-827-1696
昼の部 14:30~14:45
夜の部 17:00~21:00
月・木曜休
https://www.kakuniya.com/modules/shop/index.php?content_id=1
路面電車「観光通」電停から徒歩2分
お手頃価格でお腹いっぱい食べるならこのお店!|魚たつ
“さしみシティ”長崎市には、おいしい海鮮料理を提供してくれるお店が数多くあります。〈魚たつ〉は「居酒屋で本格的な寿司が味わえる」という、お手軽感も同居するお店。夜はもちろん、ランチメニューも充実していて、1日10食限定の「にぎり15貫セット」は即完売の大人気メニュー。旬の鮮魚を盛り込んだ「五島海山彩々造り盛り合わせ」や「石焼き海鮮あんかけ炒飯」など、メニュー名を見るだけでも垂涎の味わい、ぜひ味わってみてください。
魚菜創作ダイニング 魚たつ 五島海山
長崎市五島町3-22
095-825-6455
11:0~14:00 (os13:30)/月~木:17:00~22:00(os21:00)、金・土:17:00~24:00(os23:30)
日曜休
路面電車「五島町」電停から徒歩3分
長崎市民のとっておきVOICE
市民の声に耳を傾けてみたら、知らない長崎がこんなにあった。今年、あなたの知らない長崎へ行こう。
松﨑武久
私は長崎市南部にある茂木の漁師の家系で生まれ育ち、縁あって一夜干し専門の会社を営んでおります。仕事の関係で全国の百貨店に出張販売で行くのですが、鮮魚売り場には長崎産の魚が沢山並んでいるんですよ!長崎の魚は美味しいとよく言っていただけるので嬉しいですし、誇りに思います。四季折々でいろんな魚が味わえる、それも長崎の魅力の一つです。長崎の魚の美味しさ、それは新鮮さ!冷凍技術の発達により新鮮なまま凍結可能になっているので、1年を通して旬の時期の魚を干物はもちろんいろんな形で提供可能になっています。だから「長崎の魚は美味い」が全国に広まっていると思います。特に鯖や鯵、鱧などは長崎を代表する魚ではないでしょうか。トラフグや鯵など多くの魚の養殖も盛んに行なわれブランド化しているものもあります。日本の食文化の代表でもあった魚料理は、今や、世界の日本食文化の代表になっています。魚離れという言葉をよく聞きますが、こんなにも美味しい魚が長崎にはたくさんあることを、日本中、世界中に届けていけたらと思います。毎日、水揚げされる魚は漁師さんが命を懸けて海に出て魚を取ってきてくださっていることに本当に感謝です。ありがとうございます。
松﨑武久
株式会社 梅のや 代表取締役
西元崇博
私たち雄昇水産は30年にわたって、橘湾で養殖業を営んでいます。長崎にしか自生していない「ゆうこう」という香酸柑橘を餌に育てた「ゆうこう真鯛」は自分達の今までの養殖業の経験を全て注ぎ込み、大切に育てた自慢の真鯛です。今年8月に橘湾で発生した赤潮で同じ養殖事業者の仲間が育てている「ゆうこうシマアジ」が全て死滅しました。この赤潮の被害を一緒に乗り越え、更に長崎の皆様が自慢できるような美味しい魚をこれからも育てていきたい。そして長崎の水産業全体を更に盛り上げていきたいと思いでこれからも頑張っていきます。滑石市場の「昌賢鮮魚」では水揚げされたばかりの新鮮な「ゆうこう真鯛」を使った海鮮丼も提供しております。是非一度お越しください。
西元崇博
有限会社雄昇水産 代表取締役
浦田百花
鮮度の良い魚が獲れる長崎ならではの“コリコリ食感”を楽しんでほしい!長崎は漁獲量・獲れる魚の種類ともに全国有数を誇り、四季折々で旬の魚と出会えるのが魅力。美味しい魚ばかりでオススメを一つ選ぶのはとても難しいですが…、私は新鮮で“コリコリ食感”が楽しめる「ひらす(ひらまさ)」が好きです。まずはその食感が一番わかりやすい「さしみ」で味わって欲しい。長崎ならではの甘い刺身醤油も魚の美味しさを引き立てるポイントです!お寿司を楽しみたい人は、長崎ならではの「白鉄火」もオススメ。長崎の鉄火巻きは“赤い”マグロではなく、ひらす(ひらまさ)などを使った“白い”鉄火巻きなんです。長崎に来たら、是非“コリコリ食感”を楽しんでください!
浦田百花
長崎市水産農林政策課