冬を彩る、幻想的な17日間!
ひと味違う、長崎ランタンフェスティバルの楽しみ方
長崎の冬の夜を彩る一大風物詩、長崎ランタンフェスティバル。もともと中国の旧正月を祝う春節祭がルーツです。令和6年(2024年)2月9日(金)〜2月25日(日)、17日間にわたって開催!期間中、約15,000個のランタン(中国提灯)の灯りが市内中心部を包み込み、光の渦がにぎやかに街じゅうを彩り、毎年多くの観光客が県内外から訪れています。本場中国の風情を長崎に居ながらにして思い思いに堪能することができます。
ここではひと味違う長崎ランタンフェスティバルの楽しみ方を4つのトピックスでご紹介!極彩色に染まる長崎の冬の夜。街へと繰り出してみてください!
※期間中のイベントの詳細はこちらから
長崎ランタンフェスティバルにはいろんな姿カタチ・色合いのランタンが、エリアやスポットに合わせて登場します。桃色にきらめく銅座川、黄色いランタンが川面に映る中島川公園、崇福寺の赤いローソク……さまざまな灯りと出会いながら、夜散歩を楽しんでみては?
01|赤色ランタン
ランタンフェスティバルの一番の見どころ、それはもちろん「ランタン」そのものです。中国の旧正月「春節」を祝う祭りが発祥のイベントだけに、赤い提灯をイメージする人が多いと思います。浜町アーケードや中央公園、そのほか街中の至る所で、期間中最も目にする色です。
02|桃色ランタン
新地中華街の北門前の銅座川沿いに、桃色のランタンが一面に飾られます。銅座と中華街を渡す橋と並行に、幾重にも架けられたランタンは、とっても幻想的。中国では古くから桃を縁起物としているので「桃色」もまた、良く似合います。銅座川を中心に撮影するもよし、中華街の北門と合わせるもよし。切り取り方も豊富でフォトスポットとしてもピッタリです。
03|黄色ランタン
眼鏡橋が架かる中島川のランタンは黄色。夜には水面にも黄色のランタンが映し出され、より立体的な幻想感を楽しめます。川には蓮や水鳥などのオブジェも浮かんでいて、黄色のランタンをより映えさせます。袋橋から眼鏡橋とランタンを合わせた写真を撮れば、きっと素敵な思い出が残せるはず。
04|必見!動物ランタン
各会場にはさまざまな動物のランタンがあります。湊公園会場には干支をかたどった大型のオブジェもあり、下から見上げると見ごたえ充分です。各会場にもたくさんのランタンオブジェがありますが、中でも近年話題になっているのが、パンダのオブジェ。愛らしさの象徴とも言える「パンダ」は、リアリティ感たっぷり。でも、見ているうちにちょっと好きになっちゃう、そんな不思議な存在感を醸し出しています。いろんなオブジェが各会場に設置されているので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。
05|厳かな雰囲気漂う興福寺へ
日本最古の唐寺である興福寺には「媽祖様」が祀られた媽祖堂があり、ランタンフェスティバル時はお堂がライトアップされ、荘厳な雰囲気に包まれます。中央両脇にそびえる樹齢400年以上の大きなソテツの木からはハート型の種を落としていて、見つけることができれば縁結びや良縁、子宝に恵まれるとも言われています。見つけたら、ひとつだけ持ち帰っていいそうです。
各会場にあるランタンやオブジェなどを散策して楽しむランタンフェスティバル。そのお供にピッタリな屋台グルメ・テイクアウトグルメも盛りだくさん。中国料理の点心や中華菓子など、中国らしい・長崎らしいメニューが充実しています。「花より団子」とも言いますが、ランタンフェスティバルは景色もグルメも甲乙つけがたい満足度。ぜひ、灯りと共に楽しんじゃいましょう!
よりより
中国北部では「麻花兒(マファール)」と呼ばれている中国菓子。「よりより」とねじられた螺旋状のユニークな姿かたちから、長崎では「よりより」という愛称で親しまれています。そのしっかりとした歯ごたえと、噛めば噛むほどにあふれてくれるほのかな甘みが特徴。比較的やわらかめの食感のものや、さらに食べやすいミニサイズ、ランタンフェスティバル限定のチョコがけのコーティングのよりよりまでバリエーションも豊富なので、ぜひお好みを探してみて。
写真提供:林製菓
ハトシ
中国語では「蝦多士(ハートーシー)」。つまり「蝦=エビのすり身」を、「多士=食パン」で挟み、油で揚げて作られたものです。食パンのサクサク感とエビのプリッとした食感、口の中に広がる風味が特徴。長崎伝統の料理コース「卓袱(しっぽく)料理」の一品にも入る料理で、現在ではワンハンドで楽しめるテイクアウトグルメとして、人気の一品です。
写真提供:山ぐち仕出し店
角煮まんじゅう
こちらも卓袱料理のひとつだった「東坡肉(トンポーロウ)」が起源。ほろりとやわらかに煮詰められた豚の角煮は、十分に脂抜きをした、くどすぎない味わいが特徴です。これをまんじゅう生地に挟んで食していたのが、テイクアウトにピッタリだったことから長崎名物に。老舗割烹や料亭の味から、専門店の味までいろいろと食べ比べてみては?
写真提供:岩崎本舗
ごま団子
「ごま団子」は、子孫繁栄など「万事大吉」を願って食べられるという、中国でも伝統あるスイーツ。春節の中でも、15日目にあたる「元宵節」に食べる風習があるのだとか。甘いあんことゴマの風味が、食べる人をやさしい気持ちにしてくれます。アツアツの状態で提供してくれるので、冬真っ只中なランタンフェスティバルの季節にもオススメです。
写真提供:蘇州林
ランタンフェスティバルの会場のひとつにもなっている「唐人屋敷」。オランダ人が出島で暮らしていたのと同じ頃、この唐人屋敷に中国の人たちが暮らしていました。後に形成された「新地」と合わせて、中国文化が深く根付いている場所です。明治期に改装された土神堂、観音堂、天后堂、福健会館が現存していて、こちらが「ロウソク祈願四堂巡り」の舞台です。中国では、旧正月にお堂を参拝して赤いロウソクを灯して願い事をする風習があるそう。先述の四堂を巡り、ろうそくを灯して祈りを捧げましょう。参加者にはもれなく記念品のプレゼントも。
ながさき恋ランタン&月下老人
ランタンフェスティバルは良縁成就の催しもたくさんあり、縁結びイベント「ながさき恋ランタン」もそのひとつです。孔子廟会場に祈願所を設置していて、恋ランタンについている祈縁牌に恋愛成就の願い事を書いて奉納すれば、きっと想いが届くはず。“アジア最強”と謳われるほど良縁吉祥にご利益のあると言われている神様「月下老人」も要チェックです。運命のふたりの足首を、赤い糸で結んでくれるのだとか。ランタンフェスティバル特製の赤い糸で、運命の人との縁を結びましょう!
長崎市民のとっておきVOICE
市民の声に耳を傾けてみたら、知らない長崎がこんなにあった。今年、あなたの知らない長崎へ行こう。
下川 泰徳
闇夜に浮かぶランタンの煌めきが、周囲を幻想的な光景に変えていきますが、その光彩を一層引き立てるのは「消灯する瞬間」です!夕闇が訪れる17時、ランタンが一斉に点灯し、その温かな光が辺りを柔らかな雰囲気に包み込みます。が、しかし、暗闇が広がった22時、突如としてランタンの光が消え去り、現実の世界へと引き戻されます。その一瞬は、まるでシンデレラの魔法が解ける瞬間!夢幻の時間が刹那的に消え去り、現実の世界へと戻るその瞬間に、ランタンの真価を見出すことができるでしょう。夜の静寂の中で、その過ぎ去った魔法の時間を優しく思い返す、そんな贅沢をぜひ体験してみてください。
下川 泰徳 さん
ながさーち【長崎最大級のWebメディア】
林 敏幸
ランタンフェスティバルの始まりは、新地中華街の中華門の完成(昭和61年)を記念したイベントでした。当時、中国の旧正月を祝う習慣は薄れており、どんなイベントをすればいいかを1年考えました。第1回目は翌年の昭和62年に開催。乾燥フルーツを入れたお粥の配布や、ちゃんぽんの早食い競争などを実施し、大盛況だったのを覚えています。年々規模を拡大させていきましたが、そこにはたくさんの苦労がありました。隣町に参加を促すことも、海外でのランタンの買い付けも、一筋縄ではいきませんでしたが、「100年続く祭りを歴史ある長崎で」という思いで、民間と市で協力し合ってきました。そんな歴史ある祭りがずっと続くことを願っています。
林 敏幸
長崎ランタンフェスティバル実行委員会 相談役
本宮沙樹
例年、初日の18時に会場の皆さんとカウントダウンをして点灯の瞬間を迎えます。ランタンに明かりが灯ると歓声があがり、いよいよ開幕!長崎の街のおよそ15,000個のランタンに一斉に明かりが灯ります。お気に入りの場所で、点灯の瞬間をご覧ください。動画での撮影がおすすめですよ。路面電車に揺られながら眺めるランタンも美しいです。地元でグルメリポーターをしている私としては、食べ歩きも外せません!マーラーカオやハトシ、肉まんなど中華街ならではのあったかグルメの湯気のむこうに見えるランタンも映えますよ。皆さんに、会場でお逢いできるのを楽しみにしています!
本宮沙樹
長崎ランタンフェスティバル司会