【大阪府】大阪明星学園 明星中学校
学校名:大阪明星学園 明星中学校
回答者:木村幸広様
体験日:2022年10月22日・23日
体験されたコンテンツ:事前学習(オンライン)、ながさき平和・歴史ガイド「被爆遺構めぐり」、長崎SDGs平和ワークショップ、事後学習(オンライン)
担当:村川
今回このプログラムを体験されようと思ったきっかけや理由を教えてください。
木村先生
従来の研修旅行では、被爆者の方から会場でお話をお伺いする機会が設けられていました。
ただ、なかなか生徒達の聞く態度の事前指導が行き届かず、話し手のみなさまに失礼なことになっていないかという懸念は、前回のサイクルで長崎を訪問したときに感じました。
今回、もし被爆者の方からお話を聞かなければ、もう二度とそのチャンスはないかもしれないという懸念は十分にあったのですが、ガイドの方々も語り部として十分な研修を積んでいらっしゃること、何より、現場を歩きながらお話ししてくださる、そのリアリティさが大事だという考えから、ガイドの方々にお願いすることとしました。
担当:村川
実際に体験された生徒さんたちの様子や反響はいかがでしたか?
木村先生
実際に生徒から聞いた声として、
●当時のことがよく分かった
●長崎の方々の平和への思いの強さがよく分かった
●まるで戦争直後の長崎にタイムスリップしたみたいだった
といったものがありました。
爆心地公園で呼吸をするように、あたりまえのように黙祷の姿勢をされた、長崎の方々の様子を見て、この人達にとって戦争は自分に直結したものなのだ、あの日はまだ続いているのだ、という感想を述べた生徒もいました。
バーチャルな世代であるが故に、街を歩きながらお話を聞かせていただく機会は、本当に貴重な体験になりました。
担当:村川
このプログラムは事前学習や事後学習との連携はいかがでしたか?
木村先生
大いに有効だと思います。
事前学習では「長崎の観光案内」と「戦争と平和」の2テーマで、2枚の壁新聞を作らせました。
今となっては、そのプレゼンの時から、コンベンション協会の方々に入ってもらって、現地訪問する前の生徒の戦争や長崎に対する認識度合いを知っていただくのが良かったと思います。
事後学習で再び「戦争と平和」についてプレゼンをさせますが、この時にも協会の方々が入ってくだされば、長崎を訪問する前と訪問した後での生徒の変化前・変化後に気付いていただけると思います。それについて評価コメントとしていただくことができれば、生徒達も自分の成長を実感できると思います。
担当:村川
今後このプログラムを検討されている方へのメッセージをお願いします。
木村先生
平和学習の重要度合いはますます増えてきています。
コロナ禍もようやく先が見えてきた今、現地を訪問する最大のメリットは「リアリティ」です。戦争を経験していない世代にとっては、「経験のないことを忘れてはいけない」という、ハードルの高い生き方が求められています。
その大きな手助けになるのが、このプログラムであると思います。今後、海外に留学する生徒も増えてくるでしょう。留学先で「長崎とはこんなところだ」「原爆とはこういうものだ」ということを、今度は自分自身が語り部となって発信していくことが大切です。
そのとき、長崎の方々が伝えてくださった言葉を、今度は生徒達が自分の言葉で伝えていくことになります。その連鎖が、次の時代の平和につながると思います。その最初の言葉を教わることができるのが、このプログラムの大きな特徴だと思います。