【開催レポート】外国人観光客に選ばれる!メニュー作りセミナー ~今日からできる ベジタリアン・ヴィーガン・ハラール等の食の多様性対応~
2023年8月2日(水)、DMO NAGASAKIの主催で食の多様化に関するセミナー「外国人観光客に選ばれる!メニュー作りセミナー ~今日からできる ベジタリアン・ヴィーガン・ハラール等の食の多様性対応~」を開催いたしました。
食の多様化推進の第一人者でいらっしゃるフードダイバーシティ株式会社の代表取締役・守護 彰浩氏をお招きし、ヴィーガン・ハラール対応にどのように取り組めばいいのか、当事者が求めているものは何なのかなど、70分に渡ってご講演いただきました。
守護先生によれば、ベジタリアンというと「サラダを食べる人」といったイメージがありますが、これは誤ったイメージであるとのこと。
実際に守護先生がニューヨークで食べたベジタリアン料理を紹介していただきましたが、そこには「フライドポテト」「揚げ物とアイスの乗ったワッフル」「ハンバーガー」「ラーメン」「カツカレー」など、ベジタリアンのイメージからはかけ離れた(ように思える)メニューが並んでいました。
「予約があればできるけど……」
「仕込みの方法が変わるんですよ……」
「専用食材を仕入れるとコストが……」
と感じているであろう飲食事業者に対して、守護先生からは「違いよりも共通点を見つける」ことでこれを解決しませんか?とのご提案がありました。
一般のお客様用のメニュー、ヴィーガンの方用のメニュー、ムスリムの方用のメニュー、アレルギーの方用のメニュー……と、それぞれを別々に考えると難しく、オペレーションにも手間がかかってしまいますが、「共通点」を見ると、いずれのケースにも対応できるようになります。
ペペロンチーノであれば、ベーコンをキノコに変えるだけでムスリムやベジタリアンにも提供できるようになります。キノコという食材は一般・ヴィーガン・ハラールの共通点だからです。
この時、「ベジタリアン用ペペロンチーノ」「ハラール対応ペペロンチーノ」といったメニュー名ではなく、「たっぷりキノコのペペロンチーノ」のように一般客でも食べたいと思えるようなメニュー名にすることが重要だというお話もありました。
「ヴィーガン専用メニュー」を作るのではなく、「グランドメニューに入っているこのメニューは実はヴィーガン対応」という状態にすることが、売上の面でも、オペレーションの面でも望ましいそうです。
長崎の場合は修学旅行生も多いので、「共通点メニュー」があれば、様々なアレルギーにも対応することができるというメリットもあります。
講演の後半では、
・長崎ちゃんぽんをヴィーガン対応させるとしたら?
・多様な食の対応のために、オペレーションをどのようにしたらよいか?
・どのように外国人のお客様に情報を届ければいいのか?
などのお話がありました。
そして、今回のセミナーは「試食会付き」。
ヴィーガン・ハラールの人も食べられるような食品はどのような味がするのか、参加者の方に試食していただきました。
今回ご用意いただいたのは次の9品。
・長崎ちゃんぽんスープ【ヴィーガン・ハラール対応】
・カレーA【ヴィーガン・ハラール対応】
・カレーB【ヴィーガン・ハラール対応】
・ソース【ヴィーガン・ハラール対応】
・出汁【ヴィーガン・ハラール対応】
・SAMURAI RAMEN(赤)【ヴィーガン・ハラール対応】
・SAMURAI RAMEN(白)【ヴィーガン・ハラール対応】
・デーツシロップ【ヴィーガン・ハラール対応】
・牛丼【ハラール対応】
長崎ちゃんぽんスープについては、なんと今回のセミナーのために、東京にある世界一のヴィーガンレストランのシェフに作っていただいたものだそうです。
カレーもちゃんぽんも、普段食べているものと遜色なくおいしく、動物性の食材を使っていないと言われなければ絶対にわからない味わいでした。
今回のセミナーについて、参加者からは「ヴィーガン対応のハードルが少し下がった」「ハラールは大変と思っていましたが、できることからやろうと思います。」「目から鱗。ヴィーガンの可能性を感じた。」といったお声をいただきました。
COLUMN
メンバー登録するとセミナーの動画をご覧いただけます
「長崎市観光まちづくりネットワーク」のメンバー限定ページにて、本セミナーのアーカイブを公開しています。市内・市外を問わず、どなたでも無料でメンバー申請していただけますので、ご興味のある方は登録申請をお願いいたします。